2007年08月23日

狗友聚会

突然、北京にやってきた香港人DUC。
しゃべっているうちに、北京在住香港人RIXと知り合いであることがわかった。
……そりゃそうだ、同業者なんだからね。

これまで北京にくるたんびにRIX夫婦と会っていたらしい。
RIXもそんなこと一言も言ったことはなかった。
……って、やつもわたしとDUCが10年来の知り合いだとは知らなかったから。

その場でわたしの携帯からRIXに電話してDUCに換わると、
RIXも「おおお〜っ」と驚いたようで、DUCの滞在中にみんなで集まって食事しようということになった。
「ついでにRAYを呼んで一緒に」

……RAYってだれ?

「知らない?」

う〜ん……知ってるような知らないような……

「よくある名前だからな、あはは」とRIX。

ま、いっか。また一人香港人のお友だちが増えるだけ。

そして、RIXのアレンジで昨夜、お食事会。
「≪梁家輝≫の店で」とRIXからメッセージ。

梁家輝って香港映画の?
彼が北京にレストラン開いてるの?

ふうん、もう一人香港人がここに足跡残してるってこと。

東四銭穣胡同の奥の奥。
暗くなった胡同をとことことことこと歩く。

このところ胡同もいろいろ「開発」が進んで、
ぶち壊して商業ビルを建てるという政府+開発業者の「開発」のほかに、
「胡同を愛する」人たちがそこにバーやレストラン、コーヒーショップを開くようになっている。
そうやって、「胡同を愛する」お客たちが集まってしまった結果、胡同は昔の胡同じゃなくなった。
彼らはいまや「胡同を愛する」と言いながら、胡同を別のものへと「開発」している。
おしゃれっちゃおしゃれだけど、わたしはどうしても好きになれない。

昔やったことがある。
人が一人歩けばやっとくらいの幅の胡同をぐるぐるぐるぐる歩いてみた。
方向を忘れたらアウトなので、
一生懸命、背中が北に向かってるのか、東に向かっているのかだけには神経を集中させて歩いた。

でも、道は思ったようには伸びてくれない。
ぐんにゃりまがってユーターンしたかと思うと、突然四つ角にでる。
四つ角の向こうもけっしてまっすぐに道が伸びているわけじゃない。
ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ。

途中で三叉路になってたりすると、ほぼパズル状態。
ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ。

それでも、だんだん不安になっていく自分の気持ちを落ち着けながら、必死に方向を探しながら歩いたのが、「胡同の記憶」。

おしゃれな胡同に並ぶレストランやバーを求めて、そこに足を踏み入れる人は決して胡同にやってきたんじゃない。
ただ、そこにある新しいスポットを目指しているだけ。

外履きだか内履きだかわかんないパンツをはいたおじいちゃんとか、
半開きになった木の扉の向こうに見える洗濯物や自転車、
そういうものを楽しみに来たわけじゃない。

夜7時半、暗くなった銭穣胡同をとことこ歩くと、夕涼みしているご近所さんがいる。
自転車でわたしを追い越して家路を急ぐ人がいる。
それぞれの門に貼り付けられた「銭穣胡同」の赤い番地を見ながら、
奥へ奥へと歩いていく。

ふと胡同の名前が変わってびっくりしたら、そこからまた横に胡同が伸びていた。
きっと角の家だから、そこだけ横に伸びた胡同の番地になってるんだ。
さらに歩くと、ほうら「銭穣胡同」が続いている。

とことことこ。

かなり入ったところにその店はあった。
わたしが一番。そしてすぐにRIX夫婦がやってきた。
そしてちょっと遅れてDUC。

「ここはね、オーダーしてから料理が出てくるまでかなり待たされるから、
 RAYたちを待たずに先に注文すませとこう。
 ≪梁家輝≫が一人で厨房でやってるからね」

……え? 梁家輝が? 一人で? 厨房?

RIX、にやりと笑った。

「そう、梁家輝が」

……やられた。同姓同名かよ。まったく。
ま、よくある名前だよね。

待たされる、待たされる。
その間、我われはだべったり、雑誌を読んだり。
久しぶりの集まりには、決して見えない。

そうするうちにドアが開いてどやどやと人が入ってきた。

「あれ?」

あれ? どっかで見た顔。

「HGのところで会いましたよねぇ、もうずっと前」

ああ、そうだったねぇ……

続いて入ってきた顔を見ると、う〜ん、こいつもどっかで見た、どっかでどっかでどっかで……

なんだ、あの時のRAYじゃん。

「おっ!」

こっちこそ、おっ!、だよ。
あんたいつから北京にいるのさ?

DUCと同じ頃に知り合ったカメラマン、RAY。
あれからだともう10年以上の知り合いということになる。
10年以上前に新聞に連載していた時には彼の写真を借りたりもした。
わたしの好きな写真を撮る、ストレートなカメラマン。

そっか、そっか、そっか……
みんな来てるんだね、北京に。
みんなどっかでつながってるんだね、不思議なことに。

ぐにゃぐにゃぐにゃぐにゃ、回りまわってつながったでぇっかい友だちの輪。
不思議な輪。


posted by wanzee at 18:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 北京の日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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