2007年08月25日

海賊版+海賊版+海賊版

一事一智とはよく言ったもので。

先日、香港人のRAYが、知り合った頃、わたしが「北京に住みたい!」と言っていたのを覚えていて、
「北京好き?」ときかれた。

……う〜ん。嫌いじゃないけど。
昔、たとえば「香港好き?」ときかれて、すかさず「好き!」と答えたみたいに
「北京好き!」とは答えられないかな。
いろいろ、ここは面倒だから。

「面倒?」

だってさ、香港人も感じてると思うけど、いろいろ人を分けるじゃん。
アンタは香港人、そっちは台湾人、そしてお前は外国人って。
おかげでいろいろ面倒でしょう?
香港じゃ、そういうのないじゃん。み〜んな一緒くた。

「うんうん」

だから、ここはわたしみたいなのが長く暮らすところじゃないと思ってる。

「じゃ、どこに引っ越すの?」

う〜ん、まだわかんないし、予定も立ってないけど、
もし、ここから立ち退くとしたら、たぶん、行き先は香港になるかもね。
北京は嫌いじゃない。ただ、住みにくいだけ。
でも、ここに住んで経験しなきゃ分からないことがいっぱいある。
雰囲気とか、そういうもの。
文字になったり、形になったりしたものは、今の時代、インターネットを通じて分かったつもりになれるけど、
ここの雰囲気、人々の感情とかそういうものは、住んでみなけりゃ分からない。
そのためには「住むこと」が一つの楽しみなってる。
そんな感じかな。

……住んでみなくちゃ分かんない。経験してみなくちゃ理解できない。

一昨日、アパートの管理会社に「フェニックステレビの配信が再開される可能性はどう?」と尋ねてみた。
5月の連休に、ここらへんを地場にしているケーブルテレビ会社が「デジタル化」を宣言して、
チャンネル調整を始めてから、フェニックステレビが見れなくなった。
この「デジタル化」、一方的にこのあたり一体を「デジタル化にアップグレードする地域」に指定して、
強制的に一般地上波シグナルを断ち、
きちんと毎年配信料を支払っている各家庭に強制的にトップボックスを付けさせたものの、
まだ「チャンネル利用設定が変更中」という代物で、
トップボックスを通じてみることのできるチャンネルは、
もとの50チャンネル+からわずか数チャンネルへと激減。

どうせ普通の地上波には見たいものないから、
とわたしはトップボックスの電源を切り、しばらく見ないでいた。
ときどき、「どうなってるかなぁ」と思いながら、テレビをつけると、
なんと、5月に一時ばしっと切られてアパート中が大騒ぎになった地上波が元に戻っているではないの。
あれってやっぱり、みんなに強制的にトップボックスをつけさせ(て、デジタル化の実験対象にす)るための
手段だったんだな。
または、あまりにも「グレードアップ」どころか、「グレードダウン」に抗議の声が多すぎて、
また一般地上波を再開するしかなかったのか。
どっちも十分ありえる話。

それでも、フェニックステレビは見れなかった。
というのも、フェニックスはケーブルテレビ会社の配信ではなくて、
わが団地がアンテナをつけて、
これまでケーブルテレビが使っていないチャンネルを利用して独自配信していたのだ。
「デジタル化(生体実験)」開始のあおりを食らって、
ケーブルテレビ会社がチャンネルの全管理を始め、
団地の管理会社はフェニックスの配信を停めざるを得なかった……
けど、「デジタル化」が落ち着いたら再開する」というお話だったのだ。

あれからもう3ヶ月。
待ちくたびれて管理会社に「配信再開の可能性」を尋ねに行ったのだけど、
答は「望みはないわね」。

……実はそうなると思ってたんだ。
なにかの直後には、ものすごく思わせぶりなことを言っておきながら、
ほとぼりが醒めると、「無理だわね」。
たとえば、去年の末、
「娘の受験がどうなろうと、キミの引越しは8割、いや9割がたないから大丈夫」と言っていたうちの大家が、
受験直後に、「いや五分五分だ」などと言い出すのと、おんなし。
その後、「やっぱり引っ越さなくていいよ」と鬼のクビを取ったように胸張ったけど。

もちろん、管理会社のフェニックス配信にもそういう番狂わせが起こる可能性もある。

……でも、もう待ちくたびれた。
待つ当てもないのに、待ってるなんて、なんだかばかばかしいじゃん。
でも、ここの人たちはいつもこうやって待たされていて、
そうやって待たされることにため息をつきながらも、慣れている。
これも北京流。

ということで、わたしは家に帰ってすぐに衛星テレビアンテナ取り付け業者に電話をかけた。
こういうことのために、数ヶ月前にJLからもらっといたのさ、業者の電話番号。

もちろん、衛星テレビアンテナを個人の家庭が取り付けるのは、「許されて」いない。管理会社にも
「アンテナ付けても、取り外せって言われるからね、おんなじことよ。
 むだじゃん、やめときなさいよ」
と、クギをさされていた。

でも、やだ。
もう待つの、やだ。
がまんすることは大事だってこと、十分知ってるけど、
理不尽な我慢はますますできなくなってきた。
自分で住みたいようにして、なにが悪い?

料金を聞くと、以前聞いていた金額の半額。
ついでに、BBCワールドやCNN、そしてHBOまで見ることができるようになるらしい。
いいじゃん、いいじゃん、すごいじゃん。

ということで、翌日業者出現。
団地に入るときに、警備の人に「オーディオの取り付け業者」といったらしい。
はは、分かってるな、彼ら。さすが「プロ」。
2時間ほどかけて、アンテナ取り付けて、機械を設置して、コードを解除して。
そして、ICカードを2枚取り出していった。

「これ、コード解除用のカードなんだけど、こっちが正規版、そしてあっちが海賊版。
 正規版は600元、海賊版は30元。
 ただね、正規版は自動的にアップグレードしてくれるけど、
 海賊版はいつダメになるか分からない。
 先月ある家では6回取り替えたけど、今月は1回も取り替えていない。
 いつダメになるか、分からない。海賊版だから。でも、安い。どっちにする?」

って、何度も何度も繰り返す。
こっちのケチさと不安感を交互にゆすりながら。
なんかさ〜、だいたいその事業すら「許されてない」業者がさ、
「正規版」「海賊版」なんて言うこと自体、不思議なんだけど?

経一事長一智。
また、一つお勉強した、中国。


posted by wanzee at 16:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 北京の日々 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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