80年代生まれのあんたは90年代の移民ブームなんて知らないでしょうに、と周りは笑い飛ばしたが、実際今年に入ってからわたしの携帯にも移民コンサルタントの広告が入ってくるようになったし、その需要が増えているのは間違いない。彼もまた外国企業から雇用通知をもらい、まずは赴任、そしてそこから未来の移民計画へと歩を進めている最中だった。
それから数か月後、業界ではそれなりに知られているプログラマー同士の30代夫婦が勤めていた会社を辞め、「新しいことを始める」とツイッターでつぶやいているのを見た。そこで「ぼくは天津出身で、北京で学生時代を含めて10年暮らし、上海出身の妻と数年間上海で暮らしたし、広州にも一時期いたことがあるし、どっか新しいとこに行きたいなぁ」と言っているのを読んで、香港にでも行くのかしら、と思っていた。すると、夫婦と知り合いの友人から偶然、彼らも真剣に移民を考えているところだという噂が入ってきた。「西洋諸国ではIT技術者が不足しているから、プログラマーという職は移民条件が良くなる」のだそうだ。
この「移民条件」という言葉、わたしは90年代の香港でさんざん見聞きした…