* メルマガ「ぶんぶくちゃいな」配信購読はこちら。一部サンプルも読めます!):vol.19 「陳光誠:アメリカと中国のはざまで:(5/2) *

* 「Newsweek Japan」ウェブ連載コラム「中国 風見鶏便り」更新:「盲目の活動家、陳光誠氏の訴え」(4/30) *

* 4月より2年目に入りました!「東京新聞」土曜日朝刊連載コラム「本音のコラム」に「中国式『法治』」掲載 (4/28) *

2012年05月03日

「陳光誠氏:アメリカと中国のはざまで」:メルマガ「ぶんぶくちゃいな」vol.19配信

たぶん、これがお手元に届くころにはみなさんニュースでご存じだと思いますが先日の「ニューズウィーク 日本版」に書いた、盲目の人権活動家、陳光誠さんの脱出劇(http://goo.gl/O0OcU )がこのメルマガを準備している最中に、大いなる転換を迎えた。

27日にその命がけの脱出が明らかになった時点で、陳さんが匿われている「100%安全な場所」というのは北京にあるアメリカ大使館だろう、と多くの人たちが口にしていた。だが、ずっとアメリカ側は大使館もホワイトハウスもそれを否定も肯定もせずにいたために、事態を見守る人たちの間には一縷の不安も流れていた。一番の不安は、2月の王立軍・元重慶公安局長の米国駐成都領事館駆け込みが習近平氏のアメリカ訪問直前だったように、今回も3日から北京ではヒラリー・クリントン国務長官を迎えての「中米戦略的経済対話」が行われることになっていたこと。

もちろん、王元局長と陳氏では中国社会における立場はまったく逆なはずだが、このところ中国との接近を図っているアメリカがどこまで陳氏を匿い続けることができるのかと、懐疑的な空気が陳氏を支援する人たちの中にも流れていた。つまるところ、自由派や民主派の中に自分たちも批判し続けてきた王元局長の受け入れを断ったアメリカの行動から、「自由の砦」としての今後のアメリカに一抹の不安を感じていた、ということだろうか。それを否定しつつも、実際に陳氏の保護発覚後に彼らが見せた言動にわたしは彼らが漂わせるそんな雰囲気を感じ取った。

とはいえ、さすがにアメリカも、地方でとはいえ権力に弾圧されている人権派を見捨てるわけがない。ただ、今回は1989年の天安門事件で指名手配された物理学者、方励之夫婦の駆け込み以来とあって、さすがのアメリカ大使館もびっくり仰天していたということなのかもしれない。成都の事件が起こったばかりだが、助けを求めた陳氏(あるいは彼の支援者)を、どういう方法でかはわからないが解放軍士が警備に立っている大使館の門を通って館内に迎え入れたのは間違いなく大使館関係者だったはずだ。

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2012年04月18日

「信ずべきはネットか政府か?」:メルマガ「ぶんぶくちゃいな」Vol18 配信

中国ではこのところ、政府当局による「ネットのデマを信じるな」キャンペーンが熱く展開されている。面白いのは、わたしをはじめ多くのネットユーザーは
そのキャンペーンの詳細をネットを通じて読んでいる。テレビが新聞が繰り返す、「ネットのデマを信じるな」という主張をネットユーザーに届けるにはネットを
使うしかない。つまりネットなしでは当局だってその声を人々に届けることすらできないという矛盾がある。

もし、この「ネットのデマを信じるな」というキャンペーンの要所が「デマを信じるな」にあるならば、民間だって異論はないはずだ。まともな知性を持つ人
間なら「デマ」が「良いこと」でないことくらい理解できる。だが問題は、このキャンペーンが始まって以来インターネット全体が不安定になり、いくつかの有
名サイトにアクセスできなくなり、海外サイトへはもっと困難になった。ネットユーザーは日常的に読んでいるサイトやブログが突然読めなくなれば、このキャ
ンペーンが主張しているのは「デマを信じるな」ではなく、「ネットを信じるな」なのだと知っている。

中国では何度もこういうことが行われてきた。一見正しすぎてわざわざ口に必要も感じないキャンペーンテーマは、これまでは井戸端会議のおばちゃん世代に
「世の中にはバカな奴ら(今回の場合、デマを信じるような奴ら、という意味だ)がいるものねぇ」という話題を提供してきた。そしてそれに異論を唱えること自
体が異端者に思えるほど社会的正統性を人々に植え付けて実質効果を生んだ時代もあったのだが、その二枚舌に人々もさすがに気づき始めているのだ…

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2012年04月05日

東日本大震災のツイッターは「自分でつけた火を消した」だけ?

今日、偶然出先で中国の南方新聞グループが主宰する「南方伝媒研究」(南方メディア研究)というブックレットを数冊置いているところを見かけたので買ってみた。この南方新聞グループは、「南方週末」「南方都市報」といった新聞や、「南都週刊」「南方人物週刊」などなかなか切れのいい報道をする雑誌を発行している、広州のメディアグループである。メディア企業が独自にメディア研究をする、という目の付け所もなかなかよろしく、この「南方伝媒研究」は学者や傘下紙/誌の記者や編集者が主に原稿を寄せているが、中国のジャーナリズム事情をのぞくにはなかなか面白い記事がそろっている。

今日買ったうちの、昨年春に発売されたらしい、東日本大震災のメディア報道についての特集号には、日本留学中の学者や日本人学者が文を寄せ、それに実際に日本へ取材に行った、南方グループ傘下の記者がその見聞を寄せていた。

…が。

読んでいくうちに凍りついた。震災報道における各メディアの動きを日本人学者(元新聞記者)がまとめているのだが、これが、ひどい。なにがひどいってニューメディア=ウェブメディアに対する解説が、まったく偏見のうえに偏見を重ねたような内容で、あの震災を経てもこんな研究者がいるのか、とあきれた。そして、こんな原稿が中国語にされて、中国人ジャーナリストたちに流布されているのである。驚きというか、あまりのことに怒りすら感じ、しばらく考え込んだ。


......もっとごろごろ

2012年04月04日

「シャープ、鴻海、フォックスコン、そしてアップル」:メルマガ「ぶんぶくちゃいな」vol.17 配信!

「シャープが台湾・鴻海(ホンハイ)と資本、業務で提携」というニュースがツイッターのタイムラインに流れてきて、一瞬「うーむ」とうなった。実のところ、経済ニュースに疎いわたしは、かつてその品質を絶賛されていたシャープの液晶テレビ「AQUOS」が苦戦し、60型以上の市場にターゲットを変更した後もあまりうまく行っていないとは、まったく知らなかった(参考:日経ビジネス「台湾ホンハイが筆頭株主に、シャープ100年目の遅すぎた決断」http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20120328/230335/?ST=pc)。

かくいうわたしは「AQUOS」こそ持っていないが、かつてシャープのノートPC「メビウス」が同時期のソニーの「VAIO」をはるかに上回る、目に優しい液晶を使っていることに気が付いて以来約10年近く、2代にわたり「メビウス」を使った。シャープがその特徴をうまく活かせず市場撤退していなければ、今この原稿を打っているのは「VAIO」ではなくやはり「メビウス」だった可能性は高い。そんな経験もあって「AQUOS」の市場展開にはここ数年テレビ放送の地デジ移行という大きな転換期もあったことだし、「好調なはず」というイメージを漠然と抱いていたのだ。

そのシャープに、外国企業それもアジアの企業が業務だけではなく資本で提携、さらにシャープはあまりそうは言いたがらないようだがグループ企業も合わせるとタイトル通り「筆頭株主」になって乗り込んだというニュースは「時代の必然」的な経済話なのだろうが、その相手が鴻海だということにわたしは少し考え込んだ。

記事自体が「時代の必然」を伝える経済ニュースとして書かれているので、今の時点でそれを読む人は鴻海という企業にまつわる話、さらにそこからこの提携がもたらす末節的な可能性についてはあまり頓着していないかもしれない。だが、中国屋にとってはあまりにも有名な、あの鴻海が置かれている現状から、日本の誇る優良液晶メーカー、シャープも今後少なからず関わらざるを得ないだろう世界的な「視点」についてここでまとめておきたい。もちろん、具体的なデジタル業界発展予想についてはわたしの専門外なので、それを知りたい方はググればすぐに見つかるし、わたしも鴻海の今回の提携の意図を知るために読んだこの記事(http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/avt/20120403_523185.html?ref=twrank)あたりは参考になるのではないだろうか…

posted by wanzee at 11:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | § ぶんぶくちゃいな § | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月22日

自信:メルマガ「ぶんぶくちゃいな」配信

昨年秋、見知らぬ日本人大学生からメールをもらった。所属する大学の某先生にわたしのメルアドを教えてもらったといい、「自分はこれから日本を一周し、その様子を中国のソーシャルメディア上でつぶやきます。1年後には中国の若者の間で一番有名な日本人になっている自信があるので支援してください」と、短く書かれていた。

これだけじゃよく分からないので「あなたの求める支援とはなんですか?」と尋ねたら、「スポンサーになってください」と簡単な返事が来た。そこでぷつん、とキレた。

全く見知らぬ人間にスポンサーになってくれ、つまり金銭的支援をしてくれ、か。わたしも大人になってから他人からお金を借りたことがある。しかし、それはいろいろ算段したうえで日ごろの付き合いから「この人だったら助けてくれるだろう」と判断し、その人にどうして自分がお金が必要なのか、そのお金をどのように使うのか、今の自分の手持ちではどうして足りないのか、そしてどうやってその人の好意に報いるのか、どうやって返済するつもりなのか、をいかに説明するかをさんざん考え(もちろん、自分のメンツもあった)、頭の中で何度かリハーサルしてから、本当に恥ずかしいのですが…と、切り出した。

しかし、この大学生くんは「日本を一周」して「中国のソーシャルメディア」でつぶやいて「一番有名な日本人」になる「自信」という。これらのほかには、どうして彼が日本を一周するのか、なぜそれを中国のソーシャルメディアでつぶやくのか、そしてそれでどうしたらそんなに簡単に一番有名な日本人になれると思うのか、その自信はどこから来るのか、そしてなぜそのためにわたしが金を出さねばならないのか、の説明は全くなかった。他人に金もらって(彼が求めているのは借金じゃない)日本を一周できて中国で有名になれれば、そりゃ幸せなことこの上ないんじゃない? 

中国のソーシャルメディアの一つにアカウントがあってすでに○○人のフォロワーがいる、というが、そのアカウント名すら書いてない。つまり言いっぱなしでこちらには確認の手段も判断の基準も与えない。お金を出してと言いながら、その具体的な計画や全体予算もなかった。お金と引き換えに出すつもりだったのかもしれないがそんなもん、見も知らぬ人への頼み事であればまず自分から、「自分がどんな人間で、何を考えて、どうこうどういう実績を持っているか」を証明するのは基本中の基本だろう。それすらできない人間の1年後に誰が投資するのか・

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posted by wanzee at 13:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | § ぶんぶくちゃいな § | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月08日

「双非」:メルマガ「ぶんぶくちゃいな」配信

わたしは香港の居住権を持っている。1987年夏に香港に留学した後ワーキングビザを取って働いた頃に取ったものだ。香港では合法的なビザで連続7年間「主に香港を居住地」としていることを認められれば、国籍を問わず香港の居住権を取ることができる。わたしの場合、最初の2年間の学生ビザはこの条件に含まれず、香港で働くようになってから7年後にその対象となった。
 
だが、1996年末にこの居住権を申請したところ、出入国を担当する入境処に「しばらく待ってくれ」と言われた。係官によると、翌年の97年7月にイギリスから中国への主権返還を控え、「外国籍者の居住権について明確な規定がなく、今後どのように取り扱うべきなのか分からないため」という。それじゃ、自己規制の前倒しじゃないかとも思ったが、あの時点では本当に誰にも想像できなかった主権返還後の混乱を防ぐため、行政の自律的判断としていた仕方がないことだということも理解できた。
 
実際には主権返還後の9月に再申請したら、何事もなかったように居住権は下りた。この居住権があれば、マクドナルドで働こうがその日暮らしをしようが、誰かのオフィスで事務員をしようが、法に触れない。わたしが取得したのは当時の規定により「永久居住権」ではなく、その取得のための前段階の「1年以内の再入境」が前提の居住権だった。これはつまり、「香港を1年以上離れたままでいると自動的に居住権を消失する」というもの。その後この「1年以内の再入境」が条件の居住権は廃止され、現在は居住権とはイコール「永久居住権」を指すようになっている。
 
実はこの「永久居住権」を巡って、香港は今、深刻な状況に直面している。

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posted by wanzee at 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | § ぶんぶくちゃいな § | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月03日

岩波書店の社員募集騒ぎについて思うこと。

ブログを広げておきながら、ほとんど更新しておりませんな。失礼いたしました。毎日ツイッターでなんやかんやと大論をぶっているために、こちらに割く気力も時間も持てなくなってしまいました。とはいえ、ツイッターをやってない方もおられるわけで、これからしばらく、ツイッターでぶつ切りにせざるを得なかったつぶやきなどを、まとめてこちらでお伝えしようと思います。ま、手抜きと言われるかもしれませんが、人間一人、脳みそ一人なので、あっちこっちに別のことを書くなんてできませぬ。ご了承ください。

ところで、昨日、共同通信が≪応募条件「コネのある人」宣言 岩波書店が縁故採用≫(注:リンク先はライブドアのポータル)というニュースを流し、ちょっとツイッターが騒然となった。というか、わたしがフォローしているのは出版に絡む人たちが多いので反応が激しかったというべきか。わたしも、「コネ、かよ!!!!なんだそら!」と驚いた。

わたしの知っている中国メディアではコネ採用が横行している。中にいる人たちの話をよく聞くので知っているのだが、「記者のだれだれは政府の某なんとか相の親戚」とか普通に耳にする。そこはすでにそういう人たちで満杯になり、いろいろ社内でもトラブルが起こっているのだが、外野のわたしとしてはそんな特殊なコネによって「ネタのとれる」メディアがいつ、「黒いメディア」になっていくのか、興味シンシンでもある。

でも、しばらくいろいろ読んでいるうちに、これも日本人が持つ「幻想的平等感」のせいではないか、と。日本では「コネ採用」「縁故採用」、ほんとうにないっすか? 採用だけじゃなくて、企業の取引でも「コネ」「縁故」ないっすか? ないわけないでしょ? じゃ、なぜ岩波だけだめなの?



......もっとごろごろ
posted by wanzee at 21:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース記事から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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